前回札幌珍道中レポの後編です。
12:15
この日もイベントが盛りだくさんのためFILMORE後帰途についていた途中に電話が。SIDさんだ。「もしもし?」「メシ行こうよ。」。。。せっかくなのでそのまま乗っかってみる。テレビ塔前で合流。10分ぶりの再会を祝う。SIDさんおすすめの寿司屋があるということで、札幌駅まで向かう。目的地は駅ビルの中。札幌近辺の寿司屋は宿題のひとつであったので胸が躍る。というか意識は若干朦朧としている。さて到着。凄い列だ。どうやら人気店らしい。見ると40〜50分待ちとのこと。もちろん断念し、次の目的地であるスープカレーのSAVOYに向かう。この地を訪れるたびに必ず来訪する店だ。しばらくして到着。混んではいたがすぐ着席できた。こちらのスープカレーはさらっとした口当たりながら抜群の旨味を凝縮していて、自分は奮発してシーフード、そしてチェイサーとしてシメイをご指名。しかし残念なことにあまり美味しく感じられない。どうやらアルコールはOD気味のようであった。さてしばらくしてカレー到着。久しぶりの再会に胸を躍らせながらまず一口。。。。辛い。すごく辛い。味がわからない。そんなバカな。これは自分のせいなのか。もしかしたら味が変わったのか。そもそもどんな味だったのか。様々な思考がパラレル状に回転し上り詰め拡散していくが、いまいち考えがまとまらない。そんな中SIDさんは自分よりもさらに難易度の高い辛さのチキンカレーを事も無げに食している。そんなバカな。これは自分の。。。
14:10
数時間後の再会を誓いSIDさんと別れそのままホテルへ。と思ったのだが、先ほどのスパイスがそのままもう一山越える勇気を与えてくれたようだ。そのまま次の目的地へ。レコード屋KINGKONGである。こちらで言うところのいわゆるDISK UNIONのような存在でそんなに珍しいものがあるわけではないのだが、東京でなかなか出会わないような逸品が隠れていることの多い店である。東京と札幌では値段の相場が異なるためか思わぬ発見も多々これまであった。さてKINGKONGが入っているALTAに向かう。到着。のはずだがそこは違うビルであった。間違えたようだ。しばらく近辺を彷徨うが見つからない。意を決して街角インタビューを試みる。「ALTAもうなくなったよ。」。。。。そんなバカな。確かに事前の調査では店は存在していた。急いで携帯で再確認。どうやら店は狸小路に移転したらしい。胸を撫で下ろしそのまま向かう。発見。そのままチェックイン。随分な縮小っぷりである。そして在庫のレコードも枚数は少なく何より高い。やはり面積が縮小した結果対費用効果をあげるには単価をあげるしかない。しかしその結果売り上げ枚数は減少。そして在庫は変わらず来客も減少。末路が見えた気がした。札幌の名所がまたひとつ無くなってしまった。
15:30
やるせない気持ちに憤懣としながらも数時間後に備えていざ涅槃へ。
18:30
起床。目覚まし設定の1時間前である。やはり彼の地札幌は眠らせてはくれなかった。しばらく身繕いをしつつ出発。
19:30
先ほど断念した札幌駅の寿司屋へ再チャレンジ。到着。先ほど以上の長い列。待ちは60分。
そんな列とじゃれている時間もないので次の目的地を探す。ラーメンか。はたまた未開拓の地を目指すか。そうこうしている内に一つのアイデアが浮かんだ「そうだ。SAVOYに行こう。」先ほどは確かに体調の部分で不備があったようだ。何しろ辛過ぎた。ここはひとつ辛さを押さえ違うメニューで再確認をしよう。そして先ほどの自分の不備を侘びよう。到着。やはり混んでいたがすぐに着席。今回は基本に還って野菜カレーを注文。ここの野菜のウマさと言ったらこれまで何度も衝撃と発見を与えられてきた。辛さも抑えめにしていざ実食。。。。やはりスープの味が弱い。旨味がない。コクもない。野菜の旨味は変わらずだがそれだけでは食は進まない。またひとつ札幌の名所が消えてしまった。(後述のセイジさんに伺ったところ最近味が変わったとの旨でした。)
21:00
狸小路のMOLEに到着。こぎれいなライブハウスだ。ここで先述のCEROがライブが行われていた。予定時間より少し押していたようで、開始からそんなに経ってないようだ。トクちゃんはステージ正面のPAブースでその鋭い眼光を光らせていたかどうかはあいにく見えなかった。さて彼らのライブだがとてもよかった。溌剌とした少年っぽさを残しつつ演奏や楽曲は独特のトビや熱のセンスが感じられた。何よりメンバー自身の魅力がすごく伝わった。流石得能師匠のお眼鏡にかなったバンドだけあって飽きることなく最後まで楽しめた。
21:40
CEROのライブ終了後は挨拶もそのままに次の目的地BOOGIEへ向かう。ここでコージくんが所属しているバンドONE BODYのライブが行われた。
到着し中に入るとさっきとは打って変わった濃厚でアダルトな世界。こちらは通常はピザのおいしいレストランバーで、会場はバンドのメンバーとお客さんとの熱気でむせ返るようだ。そのメンバーはほとんどが長いキャリアを彷彿させる熟練のミュージシャン。彼らの演奏をバックに歌うコージくんはブルージー、ファンキーかつユーモアのある変わらぬコージ節で、リラックスしながら大いに楽しめた。
演奏されたのはレゲエをメインとした様々な楽曲だが、ただのカバーではなく歌詞を日本語に変えている。GET UP STAND UPもHARDER THEY COMEもSOMETHINGも日本語で聞くと楽曲のエネルギーがより強く感じられた。地元ならではのアットホームなお客さんとのレスポンスをほろ酔いで眺めながら、音楽と酒好きな札幌のリアルな時間と空間を満喫することができた。ライブ後はそのまま会場で飲み会がスタート。メンバーやそのクルーの方々と一緒に楽しい時間を過ごすことができた。ごちそうさまでした。
0:50
CEROのライブ打ち上げに参加しようと思ったがタイミング合わずで断念。そのままSIDさんが待つBAR B44に向かう。このお店は札幌のDJセイジさんがやっているお店。DJ SEIJI と言えば札幌でも最古参のDJのひとりで、彼がレジデントを努めるMELTING POTはPRECIOUS HALLの看板パーティーのひとつだ。南4西4という住所からまた長い探索に入ると思いきや、さすがにこのあたりはすすきのの中心部だったので、意外にすぐお店を見つけることが出来た。ビルの地下を降りそのままお店のドアを開けた。SIDさんと彼の友人のアイちゃんがカウンターに座っていて、向こう側にはセイジさんが。ここはゆっくり落ち着いてじっくりワインを楽しむようなそんなお店。長いバーカウンターをメインに小さいソファーテーブルが奥に一組。黒を基調にしているが圧迫感はない。細部まで拘りと心配りが感じられた。早速ワインをいただきながら先ほどのライブや前日のFILMOREの話題に。CALMとのなれ初めの話になり、そのままセイジさんがゲストDJで参加してくれたYELLOWでのパーティーの話にもなった。ライブ終了後のセイジさんの1曲目が当時幻と言われていたNEXUSのSLEEPER (KUNIYUKI REMIX)で、いきなりヤラれちゃったんですよー!と話すと、もう忘れちゃったよとの旨。ですよね。とここで1枚のフライヤーを発見した。昨晩のWALTZでも先ほどのBOOGIEでも見つけた。それはジョー山中の追悼ライブの告知だった。
以前にも感じたことだが、この街は本当にリアルなものを賛辞し追求する。まやかしなどすぐ見抜かれてしまう。ジョーさんはもちろん横浜がベースなのだが結婚式は札幌で行われ、この街を第二の故郷とし愛し愛された。このライブは明日(11/22)開催である。さすがにまた札幌へは行けなそうだが彼と彼の音楽を愛する人々のパーティーの成功を願っている。
2:00
2:00
パーティーはまだまだ終わらない。それから自分は二人と別れそのままJADEに向かった。そこではDJ DYEとJUN GOLDとのパーティーSHOPが開催されている。それにしても今日は何と言う日だろう。今回はたまたまDAVIDのFILMOREでのパーティーが目当てで、翌日のこの日は特になんの予定もなかった。それがいざ蓋を開けてみればパーティーの連続。しかもこの日は日曜である。まず都内では考えられない状況にあらためて今回の来札の意義を実感した。さてJADE着。久しぶりだ。何もかわらない。前回来たのは3年前のパーティーUNITYだった。このパーティーもまた素晴らし過ぎて今でも忘れることが出来ない。さて中に入ると流石にこの時間だからか静かな雰囲気。そんな中アグレッシブなテクノが鳴り響いている。DYEくんに挨拶をすると向こうはビックリ。彼は昨日は吉祥寺でDJだったとの事。それぞれの地元を週末に交差しその流れでの再会だった。そのままいろいろな話をしている内に徐々にまたお客さんが入ってくる。もう時間は深夜の3時過ぎ。まだまだこれから盛り上がりそうだ。あらためてこの地の底力に恐れをなした自分はそのままDYEくんに別れを告げた。
3:30
最後の一件に向かおうとした。リビドーというバーのアニバーサリーパーティーが開催されていて、コージくんも後で向かうと言っていた。SIDさん達も行っている。場所を探すかと試みたのだが流石に体力的に限界になってきた。しかもこの晩はとても寒く体力が急激に奪われた。しかも東京へのフライトは午前中。数時間後にはチェックアウトだ。ここまでか。。リビドー探索は断念してそのまま帰途についたのであった。
以上が今回の札幌珍道中の全てです。やはり何度行っても札幌は素晴らしいです。こちらがリスペクトを忘れない限りとてもオープンに我々を迎え入れてくれます。もちろんならではの暗部もあるでしょう。しかし人が人らしい生活を享受するには最高の街であることに間違いないと思うのです。