The Prayer (Priye-a) / Jephte Guillaume / Spiritual Life 1997
本日WebマガジンClusterの「対談:Ill-Bostino × DJ Nori」という記事を読みました。
BOSS君やNORIさんが語る彼らにとってのダンスミュージック現在過去未来や、札幌シーンの話もとても興味深く読みましたが、何より自分が一番心が騒いだのはBOSS君が紹介していたJephte GuillaumeのThe Prayerという曲に対しての記述でした。彼はこの曲を聞いてそれまで感じたことのなかった心の広がりを経験したと言っていました。
自分はその時ロンドンに住んでいて、当時はちょうどハウスというキーワードのもとに様々な良質な音楽を受け入れる裾野が広がっていた時期でした。ただ自分の周りにこれらの音楽愛好家はいなかったので、自分一人で少ない情報を元に様々なレコードにトライしていました。
Spiritual Lifeというレーベルについては皆さんご存知だと思うので説明を省きますが、当時はそのほとんどの作品は日本のみの販売となっていて、ロンドンでこのレーベルのレコードを探すのは本当に難しかったのです。(ちなみにニューヨークに遊びにいく友人にリストを渡してDANCE TRACKSまで行ってもらったのですが、そこでもほとんどのタイトルは販売してなかったようです。)
そんな状況でこのレコードにようやくたどり着き、始めて聞いたときの感動は今でも忘れることができません。どれくらい聞き直したかわかりません。こんなに美しい曲がこの世に存在するのかとそれまでの価値観が一変してしまう程でした。結局卒業ショーのBGMもこの曲だったし、帰国後この曲をテーマにしたTシャツも作成しました。
この世の中には星の数だけ歌があり、その歌の数だけそれを聞く人たちの思いがあります。
そんな中でかたや札幌、かたやロンドンで、同じ時期に全く異なる道筋で奇跡的にその曲に出会い、そこで人生を揺るがす程の感動を経験したという偶然こそがまさに SPREADということではと自分は思うのです。
この曲はCALMにとってもスペシャルな曲のようです。
そして皆さんの何人かにとっても同様であるとも思います。